パリ最後の1日
8月25日
あっという間にあと1日ーーーー!
まずは、昔 初めてパリに来た時にほんのちょっとだけ住んだアパート周辺をウロウロ。
懐かしい通り、懐かしい扉。
なんとも言えない気持ちになります。
いろんな事を思い出します。
リッツの料理学校に行きたくて、一人でやってきたパリ。
借りたアパートは屋根裏部屋とはいえ、とてもおしゃれで、窓から見えるのはルーブル美術館とセーヌ川。そう、セーヌ川!
目の前を流れるのは生まれ育った大阪の淀川ではなく、馬術の修行生活の頃に毎日泣きながら渡った静岡の大井川でもなく、フランスのセーヌ川! 私の人生にこんな事があるなんて!と感動したあの時の気持ちをはっきりと覚えてる。
あの時、パリに知り合いはたった一人。
エリアちゃんというパリでコーディネーターをしていた美人で気の利く素敵な女性。親父ギャグ以外は全てにおいてセンスが良い。そんな彼女のおかげで私はパリとつながる愉快な友人をたくさん作ることができたと今でも彼女に感謝している。
フランスではいつもとってもお世話になったし、一緒にいるとおもろい。
あと、パリで出会った友達、かなこ。
私がパリに到着した朝、アパートの前まで部屋の鍵を持ってきてくれた不動産屋のバイトの女の子がかなこ。
不安でいっぱいの私は、部屋の引渡しの手続きを終えて帰ろうとする彼女に逃げられまいと、「今からランチに行こう!」と初対面の彼女を誘って昼から二人でワインをいっぱい飲んで、いっぱいしゃべって、とても気が合ったのが始まり。
その頃のかなこはイラストレーターになりたくてパリにやって来て1年くらい。仕事はその不動産屋さんのお手伝いぐらいなので、いつ連絡しても気軽に遊んでくれるもんだから滞在中は結構いろんなところにご飯に行った。
かなこの描くイラストは本当に可愛くて、絵の中にちょっと洒落が効いてたり、ワンカットなのにストーリーが見え隠れしていたりして本当に素敵。
とはいえ、世界中から夢を抱えた人々が集まるパリで成功する人はほんの一握り。 かなこは小さな部屋で、トイレの電球が切れたまんまのアパートで、一人でせっせと大好きな絵を描き続け・・・。
なんと数年後にそのほんの一握りの中に入ってしまうからすごい!
かなこのイラストがパリ中に張り巡らされる事になったり、商品になったり、本になったりと、今では世界的に活躍する超売れっ子イラストレーター。
日本でもコンビニでエビアンを買うとかなこのイラストがプリントされてたりと、あちこちで見かける度にめっちゃくちゃ嬉しくなる。っていうか興奮する。
そのかなこがもうすぐ、この秋にお母さんになるっていうからもう本当に嬉しい。
パリを歩きながら、エリアちゃんやかなこや色んな人の顔を思い浮かべながら、人生や出会いの不思議について考えてみたり、パリで過ごしたのはうんと昔なのに昨日の事のように思えたり、本当にこの私がここにいたんだろうか?夢だったのでは?と思えてきたり・・・。
ルーブルリボリからリッツに通った道を懐かしみながら、数々の赤っ恥を思い出しながら、オペラ座の方へ行き、スリに遭った思い出のギャラリーラファイエットのスリ現場をも懐かしみ、お腹が空いたのでその辺で昼食&シャンパン。
午後はJUNKO SHIMADAのお店を覗きに行ったり、獺祭さんがパリにオープンした獺祭バーを見に行き、せっかくなので獺祭スパークリングをひっかけたり。
今回の心残りは、マレのロベール&ルイーズという炭火焼のお店に行けなかった事。 ここのエスカルゴとコート ド ヴュッフは絶対に食べたかったんだけど、お店の前まで行ったら休みだったりとタイミング合わず。
あー、でもエスカルゴは諦められない!
という事で、ホテルの近くのエスカルゴの美味しいお店を教えてもらい、せっかくなので最後の夜はエスカルゴとシャンパン。
このお店の一番のオススメはオニオンスープだと言うので、普段はあまり自分からは注文しないオニオンスープだけどせっかくなのでいただいた。
オニオンスープのイメージがすっかり変わってしまった。
めちゃくちゃ美味しい!
せっかくなのでエビの前菜や、カモのソテーもいただいた。
カモの付け合わせの火を通したメロンに驚いた。すごく合う!
せっかくなので最後の夜はちょっといいワインをボトルでいただいた。
いいワインをお願いすると、大きなグラスがやってくるのが嬉しい。
部屋に戻って子供を寝かせてからの二次会。
せっかくなので、冷やしておいたシャンパンを開けて飲みながら、あっという間の10日間を振る。
そう、「せっかく」を乱用して、やりたい放題の最後の夜でした。
あー、楽しかった。
ウエスティンホテルの玄関
昔滞在したアパート。左から二番目のお部屋。
アパートの玄関。懐かしい!
獺祭バー。上階は故ジョエルロブション氏とコラボのレストラン。
エスカルゴーーーー!
美味しくてたまげたオニオンスープ。
レストランの帰り道、写真には小さくしか写らないけど、
この満月を忘れない・・・。
次はいつ来れるかしら・・・。