「いつもの」
家の近くにすごく美味しいネパール料理屋さんがある。
私はそこのダルバートというランチのプレートが大好きで数年前からちょくちょく食べに行く。
ダルバートという料理は、それぞれ小さな器に入った豆のスープとネパールのカレーと野菜の料理の三皿、それとお米と謎のペーストが一枚のお皿に乗っており、それをお皿の上で好きなようにごちゃ混ぜにして食べるというもの。
味はもちろん、その異国感と体に良さげ感が気にいっている。
今日は少し体が疲れていたので、ダルバートが食べたくなり一人でてくてく歩いてお店に行った。
一人なので壁に面したカウンター席に座り、メニューを見るまでもなくネパール人の店員さんに「ダルバートください。ライス少なめでチキンをマトンにチェンジしてください。」と注文。
しばらくすると、一人の女性客が入ってきてカウンター席の私の横に座り、メニューを見ずに片手でネパール人の店員さんを呼び、
「いつもの」
と、一言。
・・・・!
なんだろう この感情は。
嫉妬?
私も言いたい!
「いつもの」
私だってそろそろ言ってもいいはずだ。
ダルバード、ライス少なめ チキンをマトンにチェンジ
これ以外注文した事ないんだから。
でももし「いつもの」と言って、ネパール人の店員さんに
「いつもの何でしたっけ?」なんて言われたら・・・穴がなくても掘ってでも入りたいくらい恥ずかしいし。
あー、どうしよう でも言いたい!
「いつもの」
憧れの
「いつもの」。