お寿司の思い出
子供の頃、あまり外食をしない家庭だったけど、大阪の豊中の古い長屋がズラリと並んだ一角に「一力」というお寿司やさんがあり、夫婦二人でやっているその小さなお寿司屋さんを父がとても気に入っていたので、外食というとそこに連れて行ってもらっていました。
特にハマチが美味しくて、大将がハマチは天然より、餌が安定している養殖の方が旨いと言っていたのを覚えている。
そして何よりシャリが旨い!
昔のお寿司は一皿に3貫乗ってくるものだったんだけど、
それをうちの姉は12皿積み上げた記録を持っている。
一力は大人になってからも結構行きました。
今でも無償に一力のお寿司が食べたくなるけど、数年前に閉めてしまったので、今はもうありません。
私が小さな子供だった頃から、カウンターで熱燗を飲むようになるまでを知っている大将の顔と、奥さんの「おおきに〜、毎度おおきに〜」という声が懐かしい。
大阪のお寿司と江戸前のお寿司はまたちょっと違う。
初めて江戸前寿司を食べたのは、四国で小さな会社をやっていた28歳の頃。
東京に出張で来た時に叔父に連れていってもらった築地の「すし清」。
それまで食べていた関西のお寿司とは全然違ってて、なんだかすごく垢抜けた感じがして、カウンターの中に並んだ寿司職人さんも勢いがあって、すごく感動したのを覚えている。
「今度、お母さん連れて来たいなー」
そう思いながら、マグロを食べて、昼から飲んだ日本酒はたしか長野県の『高天』。
それからしばらくして、また東京出張の時に母を連れて二人で築地の『すし清」に行きました。
お寿司は父か叔父と行くものだったので、
これが、初めて自分のお財布で食べたお寿司。
東京でお寿司って、いくらくらいするんやろ・・・
母と二人で張り切ってカウンターに座ったものの、「たまご、げそ、タコ、ゲソ、ゲソ、まぐろ、たまご」という感じの妙に控えめな注文。
でも最後にウニを食べたのは覚えている。
「お母さん、ウニ食べようよ。」
なんて、鼻息荒く注文するところが、今思ってもかなりダサい。 笑
でも美味しかったー!
そしてお会計。
覚悟していた金額よりうんと安かった。
お店を出た後、歩きながら
「もう一回引き返して、もうちょっと食べよか!」って冗談言って笑うくらい
二人とも満腹じゃなかったんだ・・・。
東京にはほんとに美味しいお寿司屋さんがいっぱいある。
でも今だに寿司といえば、寿司清です。
母が東京に来たら必ず寿司清に行きます。
築地は遠いので、渋谷か新宿。
馴染みの職人さんも増えて居心地もよくて。
子供が生まれてからはほとんど回るお寿司になってしまいましたが・・・
コロナの影響でお寿司屋さんもかわるのだろうか。
ゴム手袋とマスクをして、無言で握るようになるのだろうか。
寂しいな。
大好きなお寿司、しばらく食べてないな。
というわけで
昨夜は手巻き寿司の予定から、変更して
「握り寿司」
まぐろ
雲丹
あーー、美味しかった。
そうだ
お寿司、もっと練習して実家に帰った時にお寿司屋さんごっこをしよう!
美味しいお寿司を家で握ってあげられるように。