貧乏の味
私がホームパーティーでよく出す、クリームチーズのチャンジャのせ。
見た目も可愛くて、シャンパンにとても合います。
なーんて!
ちょっとイキってみましたが、
私がチャンジャを初めて食べたのは、20代後半の頃に田舎の安い居酒屋で。
「なに?この美味しいものは!!!」と驚いて以来の好物です。
当時は自分で広告・デザインの会社を始めたばかりで初期投資で借金まみれ、
お昼ご飯はスーパーで買ったうどん玉を左手に持ち、右手でハンドルを持ち、袋から口でひっぱり出して食べながら運転する。
信号待ちで止まった時に隣の車の人と目があった時にはさすがに照れるけど・・・。
そうやって後頭部から煙を出しながら走り回って一ヶ月が終わると、お給料や家賃などを支払った分、さらに借金が増えている・・・という状態の日々。
その頃の唯一の楽しみが、時々その居酒屋に行ってチャンジャとホッピー。
しかも一人で・・・。笑
おかげさまで数年後に借金は返済し、仕事もたくさんいただける会社にはなったけど、お金ができると今度は時間が無い・・・。
遊ぶこともほとんどなく、楽しみといえば仕事終わりの赤提灯。
完全におっさんです。
やがて喉仏も出てすね毛やヒゲも生えてくるんじゃないだろうかという一歩手前で、その会社は一番良い時に、信頼できる後輩に譲りましたが。 (少しは生えてたかもしれません・・・)
なので、チャンジャはいくらチーズに乗せようが、ホッピーではなくシャンパンに合わせようが、コリコリと噛み締めて口に残るのは懐かしい貧乏の味なのです。
『味』と『音』はその時の情景や気持ちを本当にリアルに思い起こさせてくれるもんだなーといつも思います。