映画「そらのレストラン」

昨日は水曜日、映画1,100円の日だったので冷たい雨の中、朝から映画を一本観てきました。

大泉洋主演の「そらのレストラン」

北海道の牧場や自然派農園が舞台で、おいしいものがいっぱい出てきそうだという理由だけで選びました。

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昔、学生時代の夏休みに北海道の静内の馬牧場で一ヶ月の住み込みのバイトをしました。

 

もちろん携帯もない時代、紙に書いた住所を持って飛行機と電車とバスを乗りついで、まったく知らない牧場の家族に紛れ込む。

 

朝は5時過ぎから馬を放牧して、馬小屋掃除して、家族と従業員みんなの朝ごはんの支度は大根一本分の大根おろしからはじまる。これは腕が悲鳴をあげる。

 

朝ごはんが終わったら、寝わらを干して、どこまで続いてるのかわからない牧柵のペンキ塗り、午後は牧草を刈ってロールにして冬の蓄えを作るかなりの重労働。

山盛りに牧草を積んだトラックに乗って、あごでハンドル切りながら山道をぶっ飛ばすのはかなり爽快だけど、一度一人で脱輪してしまった時は熊が出たらどうしようかと本気で怖かった。携帯など無いので助けも呼べず。

 

夕方、牧柵の前に立って、広い広い牧草地に向かって「ぽーーーぽーーーぽーーぽーーぽーぽーぽーぽ!」と叫ぶと、地平線の向こうからドドドドドドと地響きがして馬達が一斉に帰ってくる。

一瞬逃げたくなる迫力だが、なかなか感動する。

帰ってきた馬達を親子でそれぞれの馬房に入れて、1日の仕事が終わる・・・わけではない・・・。

晩ご飯を食べて片付けをして、一休みしたら8時から夜回りといって、水桶に水を足す(ホースではなくて大きなバケツで汲んできたものをバケツに移す。)

馬の夜食の干し草をやる、馬糞を取るなどなど・・・。

 

もう、ヘットへトのクッタクタのボッロボロで1日が終わるんだけど、夜の厩舎からの帰り道に見る星空は涙が出るほどの美しさなのです。

星空が降りてきたのか、自分が星空に吸い込まれたのか

とにかく闇と星々に包囲されたような、そんな星空なのです。

 

一ヶ月経った頃には、腕にポパイのイカリのタトゥーを入れたいくらいの筋肉モリモリ!

 

優しい牧場一家とそのスタッフ達と過ごした

貴重な貴重な思い出です。

インスタントカメラの写るんですハイを一個持っていってただけなので、その時の写真はほとんどないけれど、どのシーンも風景も鮮明に蘇ってきます。

もちろん匂いつきで。

 

ちなみに、冬休み、馬のお産の頃にもまた行きました。

 

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と、そらのレストランを観たらそんな思い出がぐるぐる蘇ってきました。

 

そらのレストラン

役者さんの個性も面白く、爽やかな映画でした。

食べ物のシーンが本当に美味しそうで、特にチーズはたまりませんでした。

牛牧場の話しなので、牛乳を飲むシーンもいっぱいでてくるのですが、私が働いていた牧場の近くにも牛牧場があったので、牛乳はいつもそこから搾りたてをもらってきて飲みました。

それはそれは濃厚で、最初の頃はちょっと気持ち悪くて苦手だったのですが、慣れると本当に美味しくて。 

朝は大きな鍋にいっぱいの牛乳を温めて、テーブルの真ん中にドンと置き、おたまでカップに注いで飲むのです。

朝、牛乳を温めて飲むのがすっかり習慣になったので、バイトが終わって実家に帰って、スーパーの紙パックの牛乳を飲んだら「水?」ってくらい薄く感じたのを覚えています。

 

映画を観終わって、チーズを食べに西武地下のヴィノス山崎に直行しました。

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ここ、おすすめです。

 

                             2月7日