スマホを壊しただけなのに・・・

昨日の夕方、出先で突然スマホの画面が真っ暗になった。

落としたわけでもぶつけたわけでもないから、帰宅して充電器に繋げばなんとかなるだろう。

 

・・・ならなかった。

 

やりとりの途中になってるラインなんかもあったので、すごく落ち着かない。

携帯の故障をみんなに伝える術もない。

 

とりあえず朝を待って、修理もできると聞いた某ドコモショップに駆け込んだところ、結論は機種変更をするという事。

バックアップとかアイクラウドとか、やってるとは思うんだけどいまいち自信がない。

「タッチ画面が使えない事にはその確認作業もできないので、やってみてダメなら、残念ながらデータをすべて諦めるしかありませんねー。」とすごく残念そうな顔が得意の窓口のおじさんに絶望説をいろいろ聞かされる。

一緒に行ってくれてた旦那さんもいろんな方法をおじさんに投げてみてはくれるんだけど、その度「んーーー、ただですねー、残念な事にその場合は」とおじさんの残念顔のバリエーションの多さ以外に感心できる返事が一つも帰ってこない。

 

そこでふと、数ヶ月前に両親の為にアイフォンを買った店舗の親切な店員さんの顔が浮かぶ。

すごく親切で頭が良くて説明がわかりやすい、そうだ!小松さんのところへ相談に行こう!

旦那さんに店舗の電話を調べてもらって電話をすると、ちょうど小松さんは今日、出社してるとの事。

そこからは一人で電車に乗って小松さんの所に行き、状況をみてもらう。

「うん、完全に液晶だけの問題で中身は生きてますねー。」

中身は生きてるとか言われると余計にこのスマホが愛おしくなる。

まるで誰かがこの中に閉じ込められてるような。

いま、助けてやるからなー!みたいな。

 

そして結論。

街の修理屋さんに持って行ってみる。

純正部品ではないけど。

それでとりあえずタッチパネルを復旧させれば、その後の事はどうにでもなりますと。

なるほど!それは思いつかなかった。(もともと私は何も思いついてはいないんだけど)

そして小松さんはご丁寧に、良さそうな修理屋さんを調べて場所を教えてくれた。

「小松さんありがとー! ありがとー小松さん!」と手を振ってドコモショップを後にする。

 

なんだか希望が見えてきた。

 

そして辿り着いたのは雑居ビルの三階にあるダイワテレコムという修理店。

呼び鈴を鳴らすと、奥からマスクをした男性が出てきた。

こんな精密なものを修理できるなんて、きっとどこかの工学部とか出てて、すっごい頭いいんだろうなーと、もう心の中で勝手に博士と呼んでいる。

そして博士の説明によると、やはり修理の過程で何らかの原因でデータが損傷することがあるという。

初期化が始まってしまうともう手が打てず、データは真っ白になってしまうと。

 

また希望が揺らいできた。

 

とにかく預けて、2時に来て下さいとの事でスマホを預けてビルを出る。

 

もう午前中の予定は全部潰れてしまった。

午後の予定もキャンセルしなきゃと、走り回ってやっと見つけた公衆電話から電話する。

10円ってこんな早く落ちるんだっけーと久々の公衆電話が懐かしい。

 

それからとりあえず、お腹が空いたので適当にお昼ご飯を食べに入る。

 

あー、こうしてる間にも重要な連絡やラインが来ていたらどうしよう・・・と落ち着かない。

それよりなにより、データが全部消えてしまったら、私はどうすればいいんだろう。

スマホに頼り切って、この中に溜めてきたものがすべて白紙になるなんて、なんて恐ろしい事だろう。

電話帳のデータやメールやラインはもちろん、思い出の大切な写真や動画や、あとメモ帳。 忘れてはいけない内容をメモ帳に打ち込んだ、その忘れてはいけない事がなんだったのかさえ思い出せない。

時計をしていないので、スマホが無いと今が何時かもわからない。

スマホの存在が自分の中でこんなにも幅をきかせてた事に驚き、怖くもなる。

せめてスケジュールは手書きの手帳にしておいて良かったとしみじみ思う。

 

さて、2時までどうしようか・・・まだだいぶ時間がある。

せっかくなので、スマホの無かった昭和の色濃く残る、

大好きな名曲喫茶『ライオン』で本でも読もうと歩いて行き、ミルクコーヒーを注文して座る。

ここではスマホを見てる人はほとんどいなくて、本を読んでるか、何か書いてるか、目を閉じてクラシックの名曲に浸っているかだ。

 

スマホが無い昨日からの時間、不便や不安はあったけど、プチ断食のような良い時間を過ごせたと思おう。

スマホの修理が成功していれば・・・の話しだけど。

 

そして2時。

そろそろ終わった頃だと修理の博士のもとへ向かう。

やたらドキドキする。

なんかの合格発表でも聞きに行くような。

 

そして結果。

 

無事、データを失う事なく画面が治ってました!

しかもガラスも変えて綺麗になってるし!

すごい! 本当にすごい!

「博士ありがとー! ありがとう博士ー!」と何度も頭を下げて雑居ビルを後にしました。

 

スマホが壊れただけで、こんなにも困って

こんなにも1日の予定が潰れてしまったけれど、

いい勉強になりました。

以前、パリでスリにあって初めて自分にセキュリティー機能が備わったように、

今回の事で更に私にはバックアップ機能も備わりました。

こうして失敗を機に徐々にアップグレードしていく私・・・。

まあ もともとの標準装備が乏しいのがいけないんだけどね。

 

回復したスマホを手に、さっそく重要な連絡やラインが無かったかチェックする。

 

アホなラインが24件・・・。

そうだ、急を要する重要な案件など、もともと私には無かったんだ・・・。

 

 

 

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創業1926年 喫茶ライオン

 

くだらない長文、お付き合いありがとうございました。